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王位戦『羽生善治王位vs木村一基八段』第3局 持ち味全開!白熱の攻防は持将棋に

木村一基八段が羽生善治王位に挑戦している『第55期王位戦七番勝負』の第3局。
お互いに後手番で勝利して1勝1敗の中、本局の後手番は木村八段。
意欲的な差し回しが続いているので本局も何がでるか楽しみですね。

矢倉で勝ちを分けたので、本局は別の戦型になると予想していたのですが、
手損なしの角換わりへ。お互いに攻めの銀の動向に注目です。

後手は先に5四銀と腰掛け銀。先手も追う形で5六銀とし、相腰掛け銀となりました。

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B5サイズで656ページ。お値段は約5000円なり。お高い? お安い?
読み手次第ですよね。立ち読みが出来たら買っちゃいそうです。

ここから駒組みが進み、先手は3七桂とし、いつでも開戦の狼煙を上がられる状態に。
その後、お互いに8八玉、2ニ玉と入城。準備万端ですね。

後手は1時間の長考で2四銀。先手の桂跳ねを先に当たりをかわしつつ、端を受けています。

開戦は先手の4五歩。戦力の集中している4筋から仕掛けました。本命手です。
後手は、前例もある5九角打を決め、4五で銀交換。最後に先手が同桂と取った手に後手は4四銀打。
こうやるもんなんですねえ。

「ここでどうやるか」と注目が集まっていた中、先手の選択は6五歩。
ツイッター解説の山崎隆之八段が有力と挙げていた手で、この手に限らず今日は難しい指し手を
当てまくりで、改めてセンスの良さを見せつけていましたね。

1日目はここまで。後手の木村さんが封じ手を行いました。
将棋は難所の入り口といったところで、明日は朝から目が離せない展開になりそうです。

2日目。封じ手は玉頭に突き捨てを入れる8六歩。
同歩か、同銀か。同歩が有力では無いかと言われていた中、先手は同銀。

この手には本日のツイッター解説の豊島将之七段も少し驚いておりました。
昨日今日とツイッター解説が豪華ですね。どちらも大好きな棋士なので豪華なのです。

後手は2六に馬を作り、先手は次に歩成りを見せた6四歩。
4五銀で桂得確定なので本命視されていた中、後手は2七馬とし、3八の飛車に働きかけました。
これは飛車の逃げ方次第で、追った形から6四の歩を払おうという狙い。

感触の良い手ですね。先手は1八飛と寄ったので、効果的な一手になったのではないかと思います。
ここでも後手は、桂馬を取らずに、飛車当たりを残しつつの3六馬。

その後、先手は桂馬が残っているうちにと金当たりの3三歩打。清算する形ですね。
しかし、清算は行われず。後手は当たりの金を4三金左とかわしました。
受けの強い木村さんらしい手で、この見切りが好手、妙手となるか。

先手は3三に歩があるのを活かす形で、5三桂成とし、そこから後手の飛車と先手の角が大駒交換に。
続けて主戦場は後手陣となり、攻める羽生王位、守る木村八段の構図に。
どちらも強さの出るところで、ホコタテ対決となりました。

先手は後手陣に火種がなくなり、どこから仕掛けるか注目だったのですが、
1筋に突き捨てを入れてからの4四歩。取れそうで取れない歩。
羽生さんらしい、怖い手に見えますね。

攻める手、守る手。ハッキリ分かれた応酬は続く。豊島君はやや後手持ち。
この後、後手は王手馬取りを受ける順を選び、今度は先手の飛車と後手の角が大駒交換になりました。

ただ、豊島君は、この馬を取られる展開を良くないと見ていたようで、
ここでの形勢判断は『互角』としていました。

感想戦では、木村さんがこの馬取りの順に勘違いがあったと言っていましたね。

その後、先手は龍が、後手は馬がよく動く展開となり、掃討戦からの入玉将棋も見えます。
と思いきや、パンチは突然飛んでくるもので、後手が6五桂打としたところから攻め合いに。

少し進むと再び主戦場は後手陣となり、攻防が続きます。

131手目。先手が1五香と走った手が絶妙手で、木村さんも「素晴らしい手でした」と
コメントを残していました。同香とすると1一角打があり。

この継続手に先手が良くなる変化があったようですが、本譜では後手が3六馬と引いた手が入玉狙いを
明示した一手となり、ここから相入玉模様に。

とは言え、スタスタと行ける訳もなく、お互いに戦闘を交えながら、持将棋も視野に入れた点数計算も
考えつつという、解説を聞かないと優勢劣勢が分からない将棋に。

154手目。2七玉。先に後手玉が先手陣に入玉を決めました。
ただ、豊島君の解説では、持将棋か勝つとすれば先手の将棋になっているとのこと。

ここで先手は銀取りの5四歩打。自然に見えた手でしたが、ここが最後の山場だったようで、
2ニ龍からの変化で最終的に馬が取れ、点数勝ちがあった模様。

そして、178手目。最後は先手も入玉したところで、持将棋が成立。
指し直し規定がないため、本局は引き分けとなりました。

羽生王位の巧みな攻め。木村八段の力強い受け。両者の持ち味が出た将棋でしたね。
感想戦の内容を見ると、豊島君の形勢判断や解説がとても優秀だった印象です。

本局は北海道で行われておりましたが、羽生王位は明日の午後には上大岡(神奈川)で
『京急将棋祭り』に参加しているんですから、本当に頭が下がりますね。

環那さんが聞き手をする『羽生さんに聞いてみよう』のコーナーが見たいですねえ。
本局の後だけに、その話もありそうで、イベントに参加出来る方、うらやまです。

王位戦は、ここまで3局。戦前予想を覆す、木村八段の意欲的な力強い差し回しが記憶に強く、
この物語がどんなクライマックス、結末を迎えるのか、とても楽しみです。

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