第64回NHK杯テレビ将棋トーナメント。
本日の対局は『藤井猛 九段vs行方尚史 八段』。
手の内を知り尽くした旧知の間柄なだけに、どんな将棋になるか楽しみですね。
って、いつもの対局者をアップにして紹介するシーンなんですけど、
なめちゃん、これ二日酔いでしょ(笑
「テレビ的に大丈夫なのか!」と思いつつ対局へ進みます。
解説は佐藤天彦八段。
ベテラン対決を若手棋士が解説するのは珍しいので、どんな理由かと思っていましたが、
藤井さんと行方さんが一緒にやっている研究会に天彦も参加しているんですね。
天彦君は文章を書くのが好きらしく、雑誌で自分のコーナーも持っているそうで、
お洒落さんなとこも含めて、自己表現が好きな棋士なのかもしれませんね。
それもあってか、喋るのが好きと感じさせる明るい喋りで、今日は楽しくなりそうです。
対局前インタビューでは、行方さんが藤井さんに「盟友」という言葉を使っていたのが印象的で、
行方さんらしい熱いコメントでした。
こう書くと良い感じですが、意識が朦朧としていて、普通に放送事故レベルじゃないですか(笑
棋譜は既に公式で上がっているので下記リンクより
http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/kifu/sgs.cgi?d=20150118
藤井さんが先手ということで戦型も注目でしたが、
最近は先後を問わず主戦型としている角交換四間飛車へ。
この角交換のタイミングには本気か冗談か藤井さん流のこだわりがあるらしく、
天彦君によると、2二角成とする際に周りの駒を乱さないように、
3二から滑り込ますために、このタイミングだとか。びしっと決めてました。
序盤に妥協が無い両雄らしく、惜しみなく時間を使っていきます。
39手目。先手が銀冠に組み替えたところに、後手は5五歩と仕掛けました。
この仕掛けに先手はさほど時間を使わず応じていきましたが、
これは後手の攻めが上手かった気がしますね。
ただ、ここからの藤井さんの差し回しが個人的には驚きでした。
藤井さんの対局は結構見ていて、形勢を損なった将棋には比較的淡白な印象だったのですが、
本局では斬り合いから、最終盤でもすごい食いつきでした。
考えている姿も見たこと無いぐらいシリアスな雰囲気が出ていて、
本局に懸ける強い気持ちを感じました。
結果は残念でしたが、格好良かったですね。
対局前は「そんな状態で大丈夫?」って感じでしたが、
そこは行方さんで、対局が始まってからの集中力は流石というか、
本局の内容は素晴らしかったと思います。
あの負けたくないって気持ちが前面に出ている姿は、いつ見ても好感が持てます。
天彦君の話は期待通り、面白いものが多く、とても良かったですね。
手の見え方や解説の内容に強さが垣間見えました。
あのB1を抜けてA級昇格を決めたんですから、当然といえば当然ですけど。
天彦君がしれっと「ガジガジ」や「Z」という用語を使っていたのを
清水さんが拾ってフォローしていたのはグッジョブ。
やっぱり、こーゆー気持ちや気合を感じるのが人の指す将棋の良さだな
と改めて思いました。
次回の対局は『飯塚祐紀 七段vs屋敷伸之 九段』。
今週に続いてベテラン同士の対戦ですね。
解説は野月浩貴七段。
屋敷さんとは同郷なので、面白いエピソードを期待しておきましょう。
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