第64回NHK杯テレビ将棋トーナメント。
本日の対局は『行方尚史 八段vs橋本崇載 八段』。
準決勝第2局です。決勝で森内九段と優勝を争うのはどちらか。
司会は、先週に続いて矢内さん。
いつもながらテレビ慣れしている感じです。余裕があります。
今日はハッシーなのもあって、少しワクワク感が出ているような。
よく考えたら、進行の人が対局前インタビューをしているので、
内容を知ってるんですよね。そういえば。
今期、ハッシーに数々のネタインタビューを受けながらも、噴き出さなかった清水さん恐るべし。
解説は木村一基八段。
両対局者の印象を、行方さんは攻めが強い。終盤の踏み込みが良い。
対する橋本さんは攻めと受け五分五分、戦型も色々指すオールラウンドプレイヤー。
両者共に、終盤の詰む詰まないの正確さが素晴らしいと言っていました。
対局前インタビューは先手の行方さんから。
相手がハッシーということで「インタビューで何を言われるか分からないので緊張します」
「準決勝らしいスリリングな将棋を」と力強く。楽しみですね。
これに木村さんは「実際にスリリングだと解説は泣きます」と木村節。
そして、注目のハッシーのインタビュー。
まずは「あれよあれと準決勝に。なにを言おうか悩む」「ネタを用意する時間がなかった」と。
これは事実だと思いますが、前フリと期待しちゃいます。
「今日は激辛流で行きたいと思います。激辛タンタンメンで」
盤上に激辛タンタンメンな指し手が出たら面白いですけどね~。
「準決勝に残った4人で実績は一番劣るが、一番華のある棋士なので、優勝して棋界を盛り上げたい」
キリっと言った後、すかさず「キマった」と自画自賛を入れてインタビュー終了。
終わってみると「本当にネタを準備する時間が無かったんだな」という感じでしたが、
それでも何か言おうというサービス精神に感謝かんしゃで。
木村さんは「誰かさんのモノマネが出るか楽しみにしてた」と少し残念なようでした。
前回と被っても良かったので、最後にモノマネ入れてくれても良かったですけどねっ。
先手:行方尚史 八段
後手:橋本崇載 八段
2六歩、3四歩、7六歩、9四歩、2五歩、8八角成。
ハッシーは居飛車振り飛車どちらもあるので、序盤に9四歩と突くのが「らしい」ですね。
後手から角交換。
同銀、2二銀、3八銀、3三銀、6八玉、4二飛。
戦型は後手の角交換四間飛車に。ハッシー前局に続いての連採となります。
9六歩、6二玉、4六歩、7二玉、4七銀、4四歩。
5六銀、3五歩、5八金右、3二金、7八玉、3四銀。
後手は同じく前局に続いて、3五歩から3四銀の展開へ。
8六歩、3三桂、2四歩、同歩、同飛、2三銀。
2八飛、2五歩打、7七桂、3四銀、8五歩、4三金。
両者、時間を使わずここまで。
「このまま終わったら前代未聞の珍事に」と木村さんは軽快なトーク。
8七銀、2二飛、2七歩打、2四飛、8八玉、4二金。
2筋に飛車を転回した後手に対して、先手はじっと2七歩打。左辺で良くして行こうと。
ここで対戦成績。行方八段の4勝、橋本八段の2勝。意外と対局数が少ないですね。
7八金、1四歩、4七金、8二玉、6六歩、7二銀。
ずっと玉型の整備を保留していた後手は、ここで8二玉から7二銀と美濃囲いへ。
6五歩、5二金寄、6六角打、4三銀、6七銀、4二金。
千日手も悪くない、待ちの方針の後手に、先手はここで角を投入。
攻め手を模索していきます。
5六歩、5二銀、1六歩、4三金、7五歩、1二香。
「行方さんは詰め将棋を解くのが好き」と木村さん情報。
9八香、7一玉、7六銀、4二金、5五角、5四歩。
9八香は将来的に地下鉄飛車のような形になる可能性も、という話を
木村さんは「飛車がキャーって逃げて」「出番がきたぜ」てな感じで面白解説してました。
6六角、5三銀、5五歩、同歩、同角、5二金寄。
先手の5五角に後手が5四歩と応じてくれたので、角を引いて5筋の交換から攻めます。
6六角、8二玉、6七銀、6四歩、5六金、6五歩。
後手はここで6四歩と反発。先手は離れ駒を活用の5六金が味良く見えます。
同桂、5四銀、7四歩、同歩、5五金、5三歩打。
「今日は解説当たってますよね」と木村さん。当たりそうで当たらないのが将棋ですが、
確かに今日の木村さんの解説は良く当たっています。
この局面では先手の眠っている飛車を活用する5八飛を挙げていて
「どかーん!と」と擬音で盛り上げて説明。
「どかーん!」はこうじゃないですよと、冗談で1七香も(笑
7六銀右、6七歩打、5八飛、4七角打、5九飛、4五歩。
先手が良くなってきているように見える中、ハッシーが長考しています。
そして、そこからの6七歩打。この手には「解説不能~」と木村さん。
後手はここで角を投入し、4五歩と駒損も覚悟で勝負の形を目指します。
6四金、6三歩打。
先手の6四金にハッシーがまた考えています。考慮時間は0分に。
指された手は6三歩打。直後にハッシーが思わず「あっ」
ハッシー、それ本当にあかんやつや!
実際に目の当たりにすると、なかなかの衝撃ですねw
以上、92手。二歩で橋本八段の反則負けということで、
行方八段の勝ちとなり、決勝進出が決定となりました。
二歩した瞬間の両対局者のリアクションがまた良いものがありまして、
その場面の画像は将棋史に残っていくのではないかと思います。
まあ、動画を見たほうがいいじゃんって話かもですが。
放送時間が残り14分ということで感想戦に。
解説聞き手が盤前に着くと、ハッシーは開口一番「すいません、失礼しました」と謝り。
続けて「いや、失礼しました」と、更に謝ってましたね~。
根はまじめと言われるハッシーなのです。
一局を通して、ハッシーの待ち方は悪くなかったように見えたのですが、
感想戦でも言われていた先手の5五角に5四歩と応じたのが攻めの糸口になってしまったので、
そこでも一貫して、じっと4三金としていたらどうだったか、というとこでしょうか。
あとは木村さんが感想戦で、ハッシーが先手の飛車が6筋に回るのを嫌って打った
6七歩打の垂らしの局面では「そこで6三歩打と受けておくのが良かったのでは」と。
確かにこの変化だと、両者の終盤力が活きそうな面白い攻防が見れたかもですね。
しかし、実際に二歩を見るのが、ここまでインパクトがあるとは改めて驚き。
行方さんやお茶の間もハッシーに続いて「あっ」と言ってしまっていた中、
冷静に終局を読み上げていた室谷さんは「さりげなく凄いな!」とも。
次回は決勝の前に一局挟むようで、来期の女流枠決定戦を放送するそうです。
対局は香川さんと甲斐さん。今期惜しかっただけに、もう1回香川さん見たいかな。
記事にするかは五分五分で、内容と土曜日の電王戦の内容次第でしょうか。
再来週の決勝戦は放送開始時間が10時5分なので、お間違えなく。
【先週のNHK杯】
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