第17回京急将棋まつり。2日目に続いて4日目も行ってきました。
迷った3日目は、今日一日行くために見送ったんですけど、
ネットに上がっていた情報を見ていたら、楽しそうでうらやまでしたね~。
今日は午前中から観に行ったのですが、
日曜日なのと、第80回と節目である『横浜名人戦』もあり、
2日目にも増して大盛況でした。
最初のイベントは、午前11時から北浜健介八段と永瀬拓矢六段の席上対局。
先週のNHK杯で羽生名人に勝利した北浜さんと、現在竜王戦挑決を戦っている永瀬君という
旬な好カードです。楽しみです。先手は永瀬君。
後手は解説する屋敷九段の天の声に導かれてゴキゲン中飛車を採用。
北浜さんは定跡で指せる序盤のうちは、解説の声に楽しそうな表情でしたね。
対する永瀬君は超速3七銀から4六、6六に銀が構える形へ。
ここから先手の5五銀右に、後手が5四歩打と収めて、流れは少し穏やかに。
展開としては攻める北浜さん、受ける永瀬君という、期待通りの形でしょうか。
途中、先手の受けが上手かったように見えたところもありましたが、
最後は、屋敷さんの「ここは派手な手がありそうですね」の声に応えて、
北浜さんの馬切りからの寄せがお見事で、勝ちとなりました。
局後、立ち上がった際に永瀬君が痺れた足をほぐすような仕草をしていたのが
ちょっと可愛かったですね~。
次のイベントまで、とりあえず今日も『次の一手』と『詰将棋』をやりましょう。
うんうん。今日も抽選会を楽しめそうです。
2日目は紙を折って投票したため、名前を読み上げられる前に折り目のあるなしで
残念だと分かってしまう事が多かったので、本日は折らずに投票してみました。
会場を眺めていると中村修九段が次の詰将棋イベントの準備をしています。
大盤が客席の右端、左端の角度のあるところからでもちゃんと見えるか確認していて、
「こーゆー気配りの上に成り立っているんだなあ」と改めて感謝かんしゃですね。
午後1時。『詰め将棋 親子で挑戦 森内さんも』が始まりました。
既にタイトルだけで面白いですよね(笑
飯野さん親子、塚田さん親子に森内さんが順番に登場です。
詰め将棋イベントということで、進行は北浜さん。聞き手は安食さん。
女性陣は、それぞれ鮮やかな浴衣で、場が華やかになりましたね。
ここで「森内さんだけソロチームなのはどうなの?」と言うことで
急遽、安食さんが森内さんチームで参戦。
詰め将棋作家としても有名な北浜さんのソロ進行でイベント開始です。
出題された詰め将棋を男性陣が正解すると1ポイント。女性陣だと3ポイント。
不正解だと、その問題の回答権がなくなる、と言った感じです。
ただ、普通の詰め将棋ではすぐに正解されてしまいますので、
そこは一捻りあって、攻め駒の1枚が『?』になっています。
この駒が何か当てた上で、詰め手順を回答すると。
序盤は3手詰めで、これを「詰め将棋は得意じゃありませんっ」と言っていた
塚田さんの娘さん、塚田恵梨花女流2級が、ポンポンと2問正解し、
森内俊之九段、飯野健二七段の正解に対して女性ポイントで引き離します。
飯野さんが手をあげて、指名されたら娘さんに振ってみると、
同様に塚田さん、森内さんも同様に手をあげてパートナーに振ってみたり。
安食さんは森内さんから振られてからも考えていて、
北浜さんに「シンキングタイムですかっ」と和やかなムード。
8問目では問題に不備があったのを森内さんから指摘され、
北浜さんは「年一のミスが出てしまいましたっ」と少しバタバタ。
初めての企画らしい、ハプニングも楽しむ展開ですね。
最後の問題を残して、トップが塚田さんチームで7ポイント。
森内さんチームが5ポイント、飯野さんチームが4ポイント。
ここで塚田泰明九段から「ラスト問題は女性陣だけでどうでしょう」と提案があり、
これを全員が承諾。最後の7手詰めを正解するのはどのチームか。
ラスト2問は女性陣が正解すると5ポイントとなっていたため、優勝決定戦です。
すぐには手が上がらない難問でしたが、これを安食総子女流初段が見事正解。
急遽参戦でしたが、2問正解の大活躍で森内さんチームの優勝となりました。パチパチ。
途中、塚田九段が「優勝すると何かあるんですか?」と質問する場面があって、
「何かあるようです!」と北浜さんとやりとしていていたのが地味に面白かったです。
そして、ここで突然ジャンケン大会が始まる展開へ。
勝ち残り1名に飯野七段のサイン色紙をプレゼントらしいです。
ジャンケンは女性陣の飯野さん、塚田さん、安食さんの順番で繰り返し。
グーは重たいし、最初ということで、まずはパーを予想。勝ち。
塚田さんの番からは「最初はグー」のコールが入るようになり、
塚田さんはグーからグーはやらなそうだし、パーは被せないだろうと予想。これも勝ち。
この流れから安食さんはグーからグーとくるかな、と予想。これも勝ち。
あれ、残り6人ぐらいなんですけど。6分の1って、あるでしょう。
勝負は次の飯野さんのパーに対して、チョキを出した方の一人残りで綺麗に決着。
自分はグー以外を予想して、グーを出したのですが「一回目がパーだったのを考えれば
パーは予想できたなあ」と終わってから。
まあ、読み通りだったかは分かりませんが、3戦続けて勝ってしまって、
ちょっと気持ちが浮いちゃってましたねっ。
午後3時。この時間帯は飯野愛女流1級と塚田恵梨花女流2級による席上対局。
解説は塚田九段、聞き手は安食女流初段。娘さんの対局を解説する姿というのはレアシーンかも。
先手となった塚田さんは居飛車穴熊を選択。対する後手となった飯野さんは美濃囲いから石田流へ。
飯野さんは舞台慣れしているのか、少し余裕のありそうな序盤は、時々会場を眺めたり楽しそうです。
将棋は途中、飛車交換から流れが早くなったところから、お互いに自陣へ手を入れる展開となり、
長くなりそうな雰囲気になりましたが、塚田さんが5一角の強手など、時間が欲しくなる手を
繰り出していく勝負術で状況は急転。
最後は秒に追われて飯野さんの金が頓死して投了という、早指しならではの決着となりました。
飯野さんは、ちょっぴり照れくさそうかな。「読みにない手に30秒は短いなあ」と改めて。
局後の解説者を交えた感想戦では、塚田さん親子のやりとりが微笑ましく、楽しかったです。
4時半からはサイン会に予定がなかった、塚田恵梨花女流2級と安食総子女流初段のサイン会が
飛び込みイベントで行われることに。
後で他の人が持っている色紙が目に入ったのですが、安食さんの『一期一会』の揮毫は達筆で、
「飾りたくなるような色紙だなあ」と素直に思いました。
この時間帯は個人的に悩ましい局面もありましたねえ。
会場では、棋士さん達が控室から出てきて、交流のある方と談笑しているシーンが普通にあり、
近くにくると「ちょっと声をかけてみたいな」なんて思ったりします。
ただ、あくまでも交流のある方と良い機会なので話しているだけで、
「知らない人がいきなり声をかけては迷惑かな」と思う部分もあり、いつも自重です。
しかし、今日は「判断を誤ったかなあ」と珍しく少しだけ後悔しました。
と言うのは、指導対局の終わった永瀬六段が、グッズコーナーの方へフラっときていて、
勝手な想像ですが、これは声をかけても良かったパターンだったんじゃないかなと。
話しかけると言っても、言おうと思っていたのは一言だけで、
言えなかったので、ここに書いておきましょう。
「竜王戦挑決、第2戦、第3戦と楽しみにしてますっ」
午後5時。第17回京急将棋まつりを締めるのは、森内九段と屋敷九段の席上対局です。
振り駒の結果、先手は屋敷さん。矢倉模様から両サイドの銀が上がっていくという攻撃的な出だしで、
解説の北浜さんによると、この進行は今年のA級順位戦での対局が下地になっているそうです。
攻める屋敷さん、受ける森内さん。本局も期待通りの構図ですね。
屋敷さんの攻めは工夫されている印象が強く、まさに攻めを作っていくという感じ。
お互いに固くない囲いでの攻防となりましたが、森内さんの見極めが絶妙で、
「森内さんらしい守りの手、攻めの手だな」と思いました。
ただ、形勢は終盤まで難しく、後手がと金作りに成功した辺りがターニングポイントだったようです。
ここから後手のと金を含む歩を使った攻めが厳しく、最後は居飛車の飛車がズバっと走る
気持ちの良い挟撃体制で決着。素晴らしい捩じりあいは森内九段の勝利となりました。
局後は恒例の『次の一手』『詰将棋』の賞品抽選会。
森内さんが「確率は低いですが皆さんに当たりますように」と言っていたのが、
何とも森内さんらしく、すごい和みました(笑
まあ、今回も40分の1の壁は厚かったですねっと。
4日間のイベントも最後の最後なので、もう少し何かあるかと期待しましたが
中村修九段の締めの挨拶があり、さくっと終了。
挨拶の中では「来年も京急将棋まつりを開催します!」と嬉しい宣言も。
盆休みじゃ無かったら、木曜か金曜、どちらか有休申請確定ですな。
イベント終了後も何となく雰囲気を楽しんでいたら、
女流の飯野さん、塚田さんとのツーショット写真会がオマケで始まってました。
うん、そんな気はしてたんだ。
ちょっと眺めて帰宅の途についたのでした。
おしまい。
【オマケ】
そうそう。写真については他のサイトで良い写真が多数アップされそうなので、
少し撮る練習はしたけど、今日は1枚も撮りませんでした。
元々、何かに向けてカメラを構えるのがあまり好きではないのでー。慣れなのかな。