第65回NHK杯テレビ将棋トーナメント。
本日の対局は『久保利明 九段 vs 千田翔太 五段』
準決勝第2局。決勝で村山七段と戦うのはどちらか。
しばらく将棋記事は書いていなかったのですが、
先日「なんでやめちゃったんですか?」「書いてくださいっ」と
嬉しいお言葉を頂く機会があり、筆をとることにしました。
解説は山崎隆之八段。
関西棋士同士の対決で、千田君は弟弟子ということもあり山ちゃん登場です。
将棋フォーカスの司会も1年ということで、その話題を清水さんから。
かりんちゃんがしっかりと成長しているのが嬉しいと言っていましたね。
「テレビに映ることで家族にちゃんと仕事している証明になっています」と
山ちゃんらしいコメントも早速。
叡王戦優勝や、覇者として電王戦に望む事に関しても何か聞けたらと
期待していたのですが、そこは清水さん触れず。ちょっと残念。
ちなみに電王戦の対局相手である『PONANZA』にアマチュアが挑む、
恒例の電王戦プレイベント『買ったら100円』がいつの間にか
『買ったら300万円』として、今年は昨日と今日の2日間で開催しております。
午後は、このチャレンジ企画を見ながら
囲碁の『イ・セドル九段vsアルファ碁』の中継も見る予定です。
あと5分で始まるで、更に平行しながら、本記事を書かないとですね。
どちらも面白いので、興味のある方は見てみてください。
さて、話を戻しましょう。
山ちゃんは久保さんを「振り飛車御三家の一人」と紹介。
そして何故か「他二人はご想像で」と。面白いですねえ。
続いて、千田君の印象を聞かれると、
奨励会時代は糸谷君と似た変わった棋風で注目されていたそうです。
☗先手:久保利明 九段
☖後手:千田翔太 五段
7六歩、8四歩、6八銀、3四歩、6六歩、6二銀。
まずは先手の久保さんがどこに飛車を振るか注目ですね。
6七銀、4二玉、1六歩、1四歩、6八飛、2四歩。
その飛車は6筋へ。これは藤井システムな出だし。
後手は1筋を受けました。続いて2四歩。
3八銀、3二銀、4八玉、5二金右、5八金左、3一玉。
4六歩、3三角、3六歩、5四歩、3七桂、2三銀。
後手は2三銀で銀冠としました。
2六歩、3二金、4七金、1二香、5六歩、8五歩。
先手は2六歩と突き、いつでも2五歩の仕掛けが出来る状態に。
対する後手は1二香と穴熊を見せます。
7七角、2二玉、3九玉、1一玉、2八玉、4二金右。
先手の2五歩が見える中、後手は「やってこい」の2二玉。
これに先手は仕掛けを見送り、3九玉、2八玉と囲いました。
ここで対戦成績。
久保九段の1勝。千田五段の0勝。
5八飛、2二金、5五歩、同角、5六銀、3三角。
後手の銀冠穴熊に、先手は飛車を5筋に振り替えて5五歩の仕掛け。
これに後手は同角と応じて、5六銀に3三角。
2五歩、同歩、1五歩、同歩、2五桂、4四角。
ここで先手は2五歩、1五歩と突き捨てて、
いよいよ2五桂と跳ねて、本格的な攻撃を開始。
山ちゃんの見立てでは、千田君は対居飛車に比べると
対振り飛車の方が苦手ではないかと言っていましたね。
千田君はいつもノートPCを持ち歩いて研究しているようです。
4五銀、5三銀、4四銀、同歩、6五歩、2四銀。
先手が角取りに4五銀と出た手に対して、
後手は角銀交換を受ける構想で5三銀。
この構想が上手い受けに見えますねえ。
駒の働きが良く見えます。
1三歩、同桂、同桂成、同香、6八飛、1六歩。
先手は1歩使って桂交換。継続手に注目でしたが、
指された手は、じっと受けの6八飛。
この手に山ちゃんは思わず「これはなんですか」と驚きの声。
攻守が入れ替わり、後手が1六歩から攻めます。
2七銀、5五桂、5七金、1七歩成、同香、同香成。
千田君は自分にあるものだけで指すと成長が弱いので、
新しいものを常に取り入れて成長を望んでいるそうです。
同玉、5六香、同金、6七銀、1八飛、5六銀成。
後手は香交換から、5六香と捨てて、飛、金両取りの6七銀打ち。
後手の攻めが着実な感じがしますね。手つきにも自信が見えます。
2八玉、1四歩、1七香、4七桂成、2九桂、4六成銀。
久保さんは若手と指すときに、勢いよく指すことを気を付けているとのこと。
引き締まった姿が見慣れてきた久保九段は、ランニングを今も続けているそうで、
10kmマラソンなどにも出て、年々タイムを更新中のようです。
その話をした山ちゃんは、逆に「幸せ太り」と言われてしまう状態だそうな。
5九角、3五歩、1六香、2一玉、1四香、1六歩。
巧みな受けでチャンスを伺う先手は、1六香と打ち、3段ロケットが遂に完成。
1四香と走った手に、後手は1六歩のカウンターを用意していました。
同香、3六成銀、1三香成、2七成銀、同玉、3六金。
ここで千田君の考慮時間が0分に。久保さんは残り5分。
いよいよ先手玉に王手がかかり始めました。
1七玉、1五歩、同香、1六歩、2八玉、2七銀。
後手の2七銀は指がしなっていましたね。
1九玉、1八銀成、同玉、1七歩成、同玉、2七飛。
1八玉、3七成桂、同桂、1七歩、1九玉、1三金。
ここで久保さんの考慮時間も0分に。
2八歩、1六香、2九角、3七飛成、同角、同金、
5一飛、3二玉、2七桂、4六角、2一銀、4三玉。
先手からも5一飛、2一銀と後手玉に王手がかかりますが、読み切りの様子。
3五桂、3四玉、3一飛成、2五玉、3八金、2八金。
最後は後手の2八金を見て、先手が投了。
126手で千田五段の勝ちとなりました。
一局を通しては、攻めきれないと見て、受けに回った久保さんの判断と
差を広げさせないような受けの上手さも印象的でしたが、
攻守共に千田君の差し回しが見事で、トップ棋士相手に後手で普通に
勝ってしまうところに改めて強さを感じました。
解説の山崎八段は4月9日から叡王戦が始まります。
今知ったんですが、叡王戦二番勝負は2日制でやるんですねえ。
今回は、そーゆー趣向ということでしょうか。
電王手さんの進化版が出るのか、封じ手はどうやるのか、
盤外でも注目要素が多くて、そこも楽しみです。
次回の対局は『村山慈明 七段 vs 千田翔太 五段』。
どちらが勝っても初優勝の決勝戦です。栄冠はどちらに。
解説は佐藤康光九段。
佐藤さんの解説はとても好きなので嬉しいですね。楽しみです。
ギリギリの白熱した勝負になるのを期待しましょう。
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