先日、たまに行く居酒屋に行ってみると、お店が20周年を迎えたらしく店内には学校の文化祭さながらの賑やかなお祝いの飾り付けが施されていました。
そんなに長くやっているとも知らなかったんですが、軽く「おめでとうございます。これからもよろしくお願いしますね。」と私。「ありがとうねー!こちらこそよろしく!」とお店の方々。
いつも通り、おいしくお酒と料理を頂き、お勘定。
すると帰り際にお店の方から、「はいこれ、みなさんに20周年のお礼。ほんの気持ちです。」と小袋を頂きました。「ごちそうさま!また来ますねー!」と店を後にする。
家に帰り着き、袋を開けると中にはカツオブシの袋が。
渋い。そして良い意味で予想を裏切る意外性。普段はそれほど買わない、でもあると良い一品です。気軽なプレゼントとしてのセンスを感じる。クールです。
ちなみに頂いた「祝鰹」は節を削る前に遠赤外線で焼き、旨み成分流出を防いでいるそう。
室町時代に誕生した鰹節は世界で最も堅い食材として認識されているそうです。刺身で食する様になったのは江戸時代から。おもしろいですね、だからなのか、「鰹」の右側のつくりは「堅い」なんですよね。水揚げ後、煮て、骨を抜き、燻し、風味や見た目の美しさを保持するためキズや身の欠けた箇所を修繕、カビを付着させながら6ヶ月という長い時間をかけて乾燥、熟成させる独特な伝統製法もその特徴。おおよそ、乾燥後に身は6分の1に縮み、単純に旨味は6倍になります。みなさんもご存知の通り出汁はもちろん、色々な料理のトッピングとしても使われていて、日本人の舌が決して忘れることはない味です。主役にこそはなりませんが、日本料理の神髄をずっと支え続けている鰹節。
今回はシンプルに、湯気の立ち上る炊きたてのホカホカご飯にふりかけて、そのまま美味しく頂きました。そして、カツオ節からの連想で「ゴーヤチャンプル」が食べたくなっちゃいました。今度作ろう。
いやぁ、これ、ちょっとうれしいな。と感じる風味に満ちた一時でした。