ジェイクールのスタッフ雑記

サッカーW杯『日本 対 コートジボアール』戦 採点・感想

ジェイクールは「サッカーも詳しいですよ!」って事で、
注目度の高い日本代表の試合について触れたいと思います。

採点形式で書いたことはありませんが、分かりやすさを出すために
今回はやってみましょう。負け試合なので数字は辛めです。

川島永嗣  5.0
ミスもなく、しっかりと仕事。2失点目は触れていただけに
止められたらビッグセーブだったが。

吉田麻也  4.5
受身の時間帯が長くなり、チームとしての問題が大きかったが、
個人としても攻守ともに良さが出せず。

森重真人  5
失点してもおかしくないようなシーンで、体を入れたり、
ボールに体を当てたりと、目に見える形でピンチを再三救っていた。

長友佑都  4.5
序盤は積極的に攻撃に絡み、守備でも1対1の上手さを出していて、
成長したインテルの長友を見せていたが、守る時間帯が長くなるにつれ、
攻守共に存在感無く。期待の攻撃面でもクロスを上げる機会少なく。

内田篤人  5.5
故障明けで、どの程度のパフォーマンスを出せるか気にところだったが、
故障前の好調時を思わせるプレーで、攻守ともに良さが出ていた。
受身の展開になり、攻撃機会がなくなってしまったのが残念。

長谷部誠  5
組んだ機会の少ない山口との組み合わせだったが、
とても機能しており、長谷部自身が大きな仕事するシーンは
少なかったが、その分、山口が自由にやれて良い仕事をしていた。

山口蛍   5
前半の長谷部との組み合わせでは、持ち味の寄せの上手さ、ボール奪取、
攻守の切り替えを見せていて、高い位置からの攻撃チャンスが
幾度とあり効果的だった。
遠藤との組み合わせになってからは、チーム自体が受身の守備に
なっていた影響も大きく、まったく良さが出ず。

香川真司  4
今でも守備が上手い選手ではないが、守備力は着実に向上しており、
この試合でも長友の上がった裏を突かれた展開で何度かピンチを
救っていた。

ただ、攻撃面では、元々のプレースタイルでもあるが、
香川のチャンスメイクのパスは、リスクが高いことが多く、
前半だけでも香川のパスが相手に渡り、速攻でピンチになる展開が
幾度とあった。それを補うだけの得点能力、アシスト能力が持ち味だが、
プレッシャーからかパスの狙い、パスの精度が低く、この状態では厳しい。

本田圭佑  5,5
チームとして入りこそ良かったものの、少しずつコートジボアールが
ペースを掴みつつあった状況での先制点は、とても大きかった。
ゴールシーン以外でも、ゴール前でもらった時のゴールを狙う姿勢は
らしさが出ていて良かった。

しかし、コンディションという形で片付けられているが、
明らかに運動量が少なく、ポストプレー、ゲームメイクが全く出来ず。
もっと積極的にもらいにいったり、体を張ってポストしたり、
ボールを触ってこその選手。一時的なコンディションの問題であれば良いが。

岡崎慎司  5.0
変わらずの運動量で、ピンチを救ったりと献身的な仕事をしていた。
ただ、守る展開になってしまったのもあり、攻撃面での良さが出ず。
大迫か岡崎は前に残してカウンターを出来れば良かったのだが。

大迫勇也  4.5
ゴールに向かってプレーできる位置でボールをもらえる機会が少なく、
それ以前に足元にボールが入る機会が少なかった。
プレーに幅がある選手なので、前の4人で連携して、サイドに流れたり、
引いたり、追い越したりと出来れば良かったのだが。持ち味出ず。

遠藤保仁  4.5
投入直後は、遠藤を経由することで、リズムが出始めて効果的だったが、
失点してからは、その良さも出なくなり、何のための投入か
分からなくなってしまった。

大久保嘉人
同点、逆転を期待しての投入だったが、流れを変えられず。
ボールを持ったシーンが少なく、持ち味が出せなかった。

柿谷曜一朗
ほとんど、ボールに触る機会なく。

ザッケローニ 4.0
先に失点する試合が多く、逆に攻撃に集中できる状況になっていた事で、
日本代表の攻撃サッカーの良さが出ていたが、今回のように先制点が
とれたシチュエーションでの指針が無さすぎた。

明らかに出来の悪い入りだった相手を、受身の守備で調子を上げさせ、
攻撃サッカーの持ち味が出ない日本は機能不全に。
更に相手はドログバ投入で別チームかと思うくらいノってしまった。

失点してもチームを鼓舞できる長谷部を下げてしまったのも
結果として痛かった。

感想:
ドログバが先発せず、かなり出来の悪い入りだったコートジボアールに
対して、序盤は個々に高いパフォーマンスを見せていた日本。
これは本当にチャンスで、相手が寝ているうちに得点を重ねて、
勝負を決められた可能性もあったでしょう。

日本は遠藤を外して、山口長谷部の組み合わせにしたのは効果的で、
高い守備能力、積極的な守備で、高い位置で攻撃に転じられていたのは
大きかったですね。

ただ、攻撃面で言うと、速攻になりがちなのが気になりました。
本当に決定的であれば、早めの勝負パスも良いとは思うのですが、
もう少し繋いで、コンビネーションを入れて、厚みのある攻撃を
しても良かったかなと。

ロストの形が悪くて、相手の速攻でピンチになるのは、今日も再三
ありましたが、このような人数をかけられない速攻を食らうシーンが
増えると、失点は減らないと思います。

入りの出来不出来で、差があった中で得点を奪えず、
じょじょに相手も調子を上げてきて、五分五分な空気になってきただけに
そこでの本田の先制点は本当に素晴らしかった。

ただ、良い形で先制したものの、少しずつ相手ペースに。
日本は足元が上手い選手が多いので、勝ち越してももっとボールを
回すべきでしたね。相手を走らせて疲れさせたり、いなしつつ
裏を狙ったりと、勝ち越してる側の優位性を活かすべきでした。

そうすれば、ファールももっともらえたと思いますし、チャンスも
増えたのではないでしょうか。

後半になって遠藤を投入して、それこそ上記したような回しつつ
チャンスを狙っていく形がザック監督の意思表示だったと思います。

おそらく、後半頭から投入しなかったのは、現在のメンバーで
繋ぐサッカーを出来ればと期待しつつも、結果として出来なかったので、
遠藤投入となったのではないでしょうか。

失点シーンは本当にあっけなかったですね。
クロスをスペースに入れられて。クロスをニアでフリーで合わされて。
競れもせず、フリーで打たれたら、そりゃあ失点します。

個人的には日本代表は守るチームでも守れるチームでも無いと
思うので、攻撃こそ最大の防御で、点を取るなり、攻撃することで、
相手の攻撃時間を減らさないと厳しいのではないかと。

この続けて失点での逆転劇は、2006年W杯のオーストラリア戦を
思い出しますね。いつもであれば、失点後は同点、逆転すべく、
火がついたように攻撃する日本ですが、今回はショック状態というか、
火がつくこともなく敗戦。

途中投入のドログバはさすがの実力と経験で、運動量こそ少なかった
ですが、効果的なプレーを連発。岡ちゃんも言ってましたが別格でした。
チームとしても個々の士気の上がり方が凄いもので、あの状態の
コートジボアールが普通だとしたら、かなり強いですね。
ヤヤ・トゥーレのコンディションが回復すれば、どこまでいくか
楽しみです。

日本代表のメンバーは誰よりも悔しく「何をやっているのだろう」と
思っているでしょう。
とても良いメンバーが揃っていると思っているので、
まずはあと2戦、攻め倒して勝ち点6、期待しています。

『コロンビア対ギリシャ』も見ましたが、コロンビアは個々の技術が
かなり高いですね。シュート、ドリブル、パス、総合能力の高い選手達が
1プレー、2プレー繋いで得点してくる印象です。
無駄が少なく、縦に突破してくることも多く、守りきるのは容易で
ないかも。

ただ、南米予選で失点が少なく、硬いかと思っていたディフェンスに
関しては、強いチームにしては異常にディフェンスラインが低く、
守備の人数を揃えているだけで、守備が上手いチームでは無いと
思いました。

ギリシャのドリブルやパスでもチャンスになっていたので、
日本もドリブル、パス、コンビネーションで崩せると期待しています。
状態の良い日本であれば、勝ち負けの勝負になるかも。

ギリシャは飛びぬけて上手い選手のいない、攻守共に組織的なプレーで
何とかするチームという印象。この試合では失点が早かったため、
後半は疲れで運動量が落ちてきて精彩を欠いていました。

ケカスが決定的なヘディングシュートを決めていたら、
また勢いが出たかもしれなかったんですけどねえ。

ギリシャは勝たなければならない相手ですが、ドロー以下も
十分ありえる、楽ではない相手なのは間違いないです。
敗戦国同士の負けたほうが脱落の勝負となるので、厳しい試合になるでしょう。

オマケ:
『コロンビア 対 ギリシャ』はテレ東で見ていたのですが、
ギリシャには噛みやすい名前の選手が多い中、テレ東の実況アナは
上手に呼んでいましたね~。

どちらのチームの選手もよく理解している感じの実況で、
イタズラに実況を盛る事もなく、とても上手かったです。
民放だと一番上手いのはテレ東かも。