羽生棋聖の2連勝で防衛に王手をかけた棋聖戦第3局。
先手の森内竜王は横歩取りを選択。反撃の狼煙となるか。
展開は角交換から羽生さんが早めの決断の角打ち。
中住まいを咎めるべく、6五桂、4五桂と両桂馬が中央に跳躍。
攻める羽生さん、受ける森内さんという構図に。
ここで5七桂成りと羽生さんが踏み込んだところ、面白い出来事が。
なんと差した駒が光っているじゃないですか。
誇張でも何でもなく、本当にその駒だけが光り輝いていました。
これは、能條純一さんの漫画『月下の棋士』で主人公の氷室将介が
強い奴が指すと駒が光って見えると言っていましたが、
まさか、実際に目にすることになるとは驚きです。
その後、羽生さんの攻めが繋がり、先手陣に駒が増えていくと、
光る駒も同様に増えていきました。
おそらく、真上にある中継カメラ、照明、駒の材質、駒の傾斜が
生み出したマジックでしょう。
それにしても、その対象が今期負けなし10連勝中の羽生さんで、
最初に光った駒が、差した駒って言うのは格好良すぎです。
羽生さんほどの人が指すと駒が光る。新たな羽生伝説の誕生ですね!
森内さんは劣勢ながらも決め手を与えない巧みな差し回しで、
明らかに差が縮まり「これは逆転するか」となりましたが、
そこは流石の羽生さんというか、悪くした部分を引きずらず。
結果は152手で羽生棋聖の勝利となり3連勝で防衛。
7連覇となりました。佐藤前棋聖もそんなに前なんですねえ。
中継を見ていたニコ生の話も。
今回の解説は村山慈明七段山田久美女流三段の組み合わせ。
このコンビは前も見た記憶がありますが、実に良いです。
ニコ生ではお昼の休憩時間に詰め将棋が出題され、
正解者1名に解説者の揮毫した色紙や本がプレゼントされる企画があり、
その揮毫は番組内で行なわれるのが一つの名物になっています。
大体の人が、書きなれた言葉を揮毫するのですが、
村山さんは遊び心がありまして、前回は「ニコニコ」、
今回は新婚なのと、B1に昇格して新しいクラスという意味もあわせて
「NEW」と書いていました。しかも縦書きで。
あと面白かったのは、視聴者のお便りから
「初手で一番の悪手はどれか」という話になり、
「これを公式戦で差した棋士はいないでしょう」という手を
「それ、久美さんとこの弟弟子の小泉三段が指してましたよ」という
やり取りが何度かあり「小泉三段とは何者なんだ!」と
盛り上がりました。
最後にニコ生中継の告知があり、7月19日(土)に第3回電王戦の
リベンジマッチとして『菅井五段vs習甦』の対局を
持ち時間8時間でやるそうです。
電王戦で一番の好勝負だっただけに楽しみですねっ。